辺りは怒号が響いていた。

木々のない灰色の痩せた大地が続いている戦場に、海人はいた。
色のない空、色のない海。
そして、その場所で海人は必死に戦っていた・・・

アメリカ兵に見つからないように土地のくぼみに屈んで、海人は仲間と攻撃のタイミングを待っていた。
前方で待ちきれずに飛び出した仲間が、撃たれて倒れた。
まだ、死んでいない・・・
そう思った海人はかがみながら前進し負傷兵の肩を持ち、仲間の待つくぼみに向かって走り出した。

その時、頭上に飛行機が見えた。
真上からミサイルを撃ち落とされた。

そして、海人達は動くことはなかった。



海人は、自分のうなり声で目が覚めた。

その時、海人は、気づいてしまった。



きっと、僕は、あの時死んだんだと・・・