ここ最近、海人は朝方に起こる頭痛に悩まされていた。
日に日に強くなっているような気がして、朝になるのが憂鬱だった。

お盆が過ぎ、海水浴に来る人々もめっきり少なくなっていた。
民宿も、所々に空き部屋が増えている。

海人は朝の仕事を終えサチと朝食をとった後、頭痛薬をもらって飲んだ。


「疲れがたまっているんだよ。
今日は、仕事は休んでいいから」


サチは海人を心配してそう言った。

海人は午前の仕事を急いで済ませ、部屋に戻り横になった。
いままでどんなに忙しくても食べ物にありつけなくても、頭痛がすることは一度もなかった。
この不快な痛みは、海人自身を不安にさせた。


目を閉じゆっくりと浅い眠りにつき始めた頃、海人はもう夢の中にいた。