そうして一人で夢を語っていると
「真太郎!! 集中しなさい!」
当然の如く、泉先生に怒られるのだった───
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あれからまた数日が過ぎ
今日は一年生の正式入部の日
仮入部期間中に、
彼女の名前は前川ミコだという事が分かった
そして今、目の前の一年生達の中にいる前川
彼女も吹部に入ったのだった
よし、一歩進展したぞ
自分が何かをしたわけではないが、
同じ部活という距離に縮まった事に
内心ガッツポーズをしていた───
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泉先生の元、楽器選択が行われたようで、
前川はフルートになった
トランペットとフルート──最も遠い位置関係だが、
こんな遠距離恋愛もありだよな!な!?
全パートfかff
=投げ遣りな真太郎の心情
俺は絶対チキンを卒業するんだ!
フラれたっていい
取り敢えず、当たって砕けろだぜ!
いや、砕けちゃ困るが……まあいいや!
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数日後、前川が入部してまだ一週間も建っていないが、
勇気を振り絞って初めての告白をした
前川はすごく驚いていたが、
最後には「はい」と言ってくれた
その答えを聞いた刹那
嬉し過ぎて思わず、飛び上がりそうになった
(↑最後のはねる感じ)
前川と付き合い始めて数日後のある日
部長でありテナーサックス担当の聖於実(マサオミ)先輩に、
新入生歓迎会を二週間後に行うと告げられた
この高校は、他の高校と違って、吹部内で歓迎会が行われるのだ
泉先生曰く、一つの部活として絆を深めてもらいたいそう
そして今は、学年ごとの出し物について、
各学年ごと集まって話し合っているのだが……
「歌やりたい!」
「劇でもやる?」
「何か演奏したい」
「えー、やだ」
「……じゃあどーすんだよ?」
色々と案を出す人、何故か全てを嫌がる人、それに若干キレ気味の人に分かれてしまった
毎回の恒例行事というべきか、
入部してから何度目かの二学年のケンカが始まった
俺は窓の外を眺めながら小さく溜め息を零す
そしてまた
「真太郎やる気あるの?」
怒られるわけだった───
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暫く揉めた末、結局は演奏をする事になり、
あんなにケンカをさせてくれた新入生歓迎会も、あっという間に終わってしまうのだった───
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……ここは、どこだろう
ゆっくりと目を開けて見たその光景に、
「……っ」
言葉を失った
家々が建ち並ぶ街の上を──青空を、
俺は今、飛んでいる!!
頬に当たる風が心地よい
近くで小鳥の囀りが聞こえる
ずっと、ずっと…………
俺はここにいたーーーぃ……
ガコンッ
「いってぇ!!?」
当然ながら、今までの事は全て夢で
寝相が悪いため近くの机の足に頭をぶつけ、
別の〝いたさ〟を感じるはめになったのだった───