佳穂のその言葉を最後に、俺は佳穂に背を向けた。


何も言わず、中庭を出た。


そのまま校門を出て、行く宛もなく、ただ何も考えずに歩いていった。


ーー俺が立ち去った中庭で、佳穂が何を思ったのか、知りもしないで……。


その日、


俺と佳穂は別れた。


付き合い始めた時と同様に、別れの報せもすぐに知れ渡った。