「本気よ。もう、終わりにしましょう」


俺はみっともなく、俯いてしまった。


だから、佳穂がどんな表情で話しているのかは、分からない。


ただ淡々と、冷めた声が耳に届く。


「所詮は周りを騙すためにしていた、嘘の付き合い。そうでしょう?」


言い返せなかった。


一ヶ月後に、伝えようとしていた言葉でさえ、出てこない。