「課長……?」
驚いて課長の名を呼ぶ。

すると背中越しから
「どうするんだ?俺の自宅なら
そのまま酔い潰れても大丈夫だが。嫌なら
ささっとこれに乗って帰れ」
そう言ってきた。

それって……課長の自宅に行けるってこと?

行ってもいいの?

「で、どうするんだ?ハッキリしろ」

「い、行きたいです!!凄く」
慌てて返事をする。

すると課長は、そのまま私と一緒にタクシーに乗り込む。
そして私の住んでいるアパートと違う住所を
運転手さんに告げていた。
確か……この住所って……課長の自宅?

ぼんやりする意識の中
私は、課長と一緒にタクシーに乗って移動した。
その間は、ずっと肩にもたらしてくれた。

「尾野……起きろ。
着いたぞ。早く起きて降りろ」

「う……ん。課長……?」
どうして……課長がここに?
意識が朦朧としていたがハッと気づく。

そうだわ。駄々をこねて課長の自宅で
飲むことになったんだった!!

「すぐに降ります」
慌てて言うとタクシーから降りた。