「あのですね……」
誤解を解こうとするとさゆりが
私の口を手で押さえてきた。

うっ……さゆり!?

「全然問題ありません。
もうこの子ったら
最近陸斗さんと喧嘩したからって
ちょっと拗ねちゃって。嫌だわ」
笑って誤魔化すさゆり。

ちょっと!?
ジロッとさゆりを睨み付けると

「あんたは、ちょっと黙っていなさい」
小さな声で忠告をされてしまう。

えぇっ!?
逆に睨み返されてしまった。

「あら、そうなの?
早く仲直りしないとダメよ。こじらせると
余計ややこしくなるから」

「は~い。」
私の代わりに返事をするさゆり。
ちょっと!?

結局本当のことが言えず
阿部さんのお姉さんは、機嫌良く帰って行った。
ハァッ……と気が抜ける。

「疲れた……」
今日は、病気と診断されるし色々と
ツイていない気がするわ。

お姉さんに本当のことを言わなくて
本当にいいのだろうか?