「ねぇ、それよりこの後どうするのかしら?
ここでお昼食べ損ねたでしょ?」
お姉さんが尋ねてくる。

確かに恥ずかしくて出て来てしまったから 
お昼をまだ食べていない。
お腹が空いてきたけど……さっきのことを考えると
他のお店に行きにくいし。

「私は……夜勤上がりで後は、帰って寝るだけなのよね。
ねぇ、せっかくなら千奈美ちゃんの自宅に
行ってみたいわ。お昼は、そこで食べましょう」

えっ……えぇっ!?

「さんせーい」
さゆりが手を挙げて賛成してくる。
ちょっとさゆりまで!?

「えっ、でも……私の部屋なんて
狭くて散らかってますし」

さすがにそれは、気が引ける。

「あら、大丈夫よ。
多少散らかってぐらい。私の部屋に比べたら
綺麗なものだと思うし……フフッ」
まったく平気そうに言ってくるお姉さん。

私の部屋に比べたらって……一体
どんだけ散らかっているのだろうか?
何だか疑問に思ってくる。

結局、阿部さんの2番目のお姉さんも入れて
私の自宅で食べることになってしまった。
本当にいいのだろうか?

帰り道にスーパーで食材を買って行く。
さゆりは、私にこっそりと
「私あのお姉さんのこと結構好きかも。
面白そうな人だし」
そう言ってくるし。面白がってるし……。