「あの……阿部さ……陸斗さんって
もう1人お姉さんが居らっしゃるんですか?」

「えぇ私の上にもう1人。
名前は、希美。父の会社の秘書をしてるの」
ニコニコしながら教えてくれるお姉さん。

お姉さんが2人。
しかも父の会社って……!?
ちょっとお母さん。そう言う詳しいことは、
早く教えてよ!?
母から何も聞いてなかったため驚いてしまった。

「ちなみに陸斗の下に弟も1人居るわよ。
名前は、恵斗で現在大学1年生なの」

えぇっ!?ってことは、
阿部さんって4人姉弟の長男!!

よく考えたら私は、阿部さんの事を
よく知らない。性格ぐらいしか分かっておらず
どんな仕事をしているのか兄弟のことまで
まともに知らなかった。

よくこんな曖昧な関係で
彼は、私のことを好意を持ってくれたものだわ。
無知な自分が恥ずかしくなってくる。

「すみません……私、陸斗さんのこと
まともに知らなくて……」
申し訳なさそうに謝った。

するとお姉さんは、
「あら、いいのよ~ちゃんと言わなかった
あの子が悪いんだし。後でお仕置きをしておくから♡」
にこやかに言われてしまう。

お仕置きって……

何だか阿部さんが可哀想になってくる。
大丈夫……かしら?