嫉妬深い男は好かれないゾ☆ とは、なっちゃんがまとっている空気的に言えそうになかったのでその言葉は飲み込んだ。
その代わり、質問に答えてもらうべく、わたしはなっちゃんの脇腹をツンツンつついた。
「ねえねえ、それで、なっちゃんは何部なの?」
「は? お前、利久から聞いてないわけ?」
「利久くん? え、なんで? ていうかなんで利久くん知ってるの?」
君達、クラスも違うし中学も同じなわけじゃないし、仲良かったの?
と頭にはてなマークを浮かべていると葵先輩が、わたしの頭の中の謎を解決させてくれた。
「那月くんは、わたしとおんなじ奉仕部だよね!」
「あ、はい、そうですね」
「もー、高校までわたしと同じ部活だなんて、ホントにわたしのこと大好きだなあ!」
「先輩、都合のいい頭デスネ」
「ポジティブ思考と言ってちょうだい!」
えっへん、となぜか得意げな葵先輩。
あ、そうだ。なっちゃんと葵先輩が奉仕部だったんだ。入部届が配られた日の放課後に聞いたはずだったのに、すっかり忘れてた。
そうだそうだ。だからどこかで聞いたことあるような気がしてたんだな。納得。
なっちゃんと利久くん、同じ部活なんだ。そしたら、二人が仲良くなってくれるかなあ……なってくれたらうれしいなあ。
そして、わたしたちのお昼の時間になっちゃんも投入しよう。
「結衣ちゃんは? 部活、何にしようと思ってんの?」
お財布の中身がなかったのか、ポイっと財布を投げ出してしまいながら夕希先輩はわたしに問う。