それと同時に部活終了時刻、最低下校時刻を告げるチャイムが鳴り、わたしと利久くんは慌てて荷物を整理して、二人してげた箱へ向かう。



「奉仕部って……何するの?」

「奉仕するんだよ」

「え、何かそれ、やばいやつ?」

「ちげーよ、お悩み解決みたいな、そんなかんじだっつーの。バカかお前は」

「いたっ」



前髪はピンでとめているため、丸出しになっているおでこにデコピンをくらわされてしまう。


わたしのチャームポイントであるおでこに傷ができたら利久くん、一生恨んでやる。


それにしても、奉仕部かあ。

生徒のお悩み解決したり、お手伝いしたりする部活なんだろうなあ。……それはそれで、凄く楽しそう。


というか奉仕部って、どこかで聞いたことがあるような。



「今日は? その奉仕部、とかなんとか。部活なかったの?」

「一年、今日は顔出しだけだったんだよ。ていうか俺が委員会あっただけなんだけどな」

「へえ、そうなんだ」

「おう。そしたら教室にお前残って変なモノローグ言ってるから何やってんだ、って感じだよな」

「やっぱりサッカー部と野球部、入りたかったなあ……」



勢いで決めちゃったけど、窓際から外を見ると放課後、いつも頑張っている部活とか結構魅力的なんだよなあ。

自分もやってみたい、とか思っちゃうし。憧れるし、球技できる人とか。


なんて割と本気で落ち込んでいると見かねた利久くんはわたしの肩をポンッと叩きながら、笑顔で言ってくれた。



「なーにへこんでんだよっ。休みの日は、俺が一緒に野球してやるって!」

「利久くん……!」

「ん? 惚れた? 俺に惚れたら火傷する……」

「なっちゃんにしてもらうからいいや」

「あげて落とすのヤメテ!!」