窓際いちばん後ろの席。

高校生活が始まって三週間が経とうとしている今日この日。わたしは相変わらず窓の外を見ながらボーっと毎日を過ごしていた。

ふと、グラウンドに目をやるとそこにはサッカー部や野球部と思われる服装の運動部員たちが汗水たらしながらさわやかな放課後を過ごしているのが目に入る。


そう、そうだ。あの中に入ってわたしも青春の汗を流す、なんてどうだろう? 我ながらいい考えじゃないか。



「よしっ、そうしよう!」



そう、掛け声をかけながらペンをとり、目の前の紙にようやく決めた部活の名前を書こうとする。


が、それは目の前に置いていた紙が誰かに奪われたことにより机にシャーペンが刺さりポキッと、芯が割れる羽目になった。



「あっ、折れた」

「お前、何変なモノローグ言いながら書こうとしてるんだよ……」

「あ、利久くん」



折れたシャー芯に少しショックを受けながらつぶやくと、上から高校でいちばん最初にできたいちばんの友人である青山利久の声が聞こえたので顔を上げる。


利久くんの左手にはもちろん、今、わたしが書こうとしていた入部届が握られていて。