「え⋯い、言えないです⋯っ!」


みんなのことを少しでも分かりたい、だなんて恥ずかしくてとても言えたことではない。


「え⋯!?」


流石にそれは予想外だったのか、二人が驚きの声を漏らした。


「⋯ちょっと。どーゆーわけ?」


むにっと祭莉の頬をつまむ汐遠。案外ふにっとした触り心地なのが気に入ったのか、ずっと頬をつままれる。


「どうしても教えてくれませんか⋯?」


眉を八の字にして、困ったように尋ねる春叶。その、あまりの可愛さについ承諾してしまった。


「⋯あの、少しでも⋯みなさんのこと分かりたくて⋯知りたくて吸血鬼の本を見てたんです⋯!」