ちょうどその時に徹の声が後ろから聞こえた。

『しおりっ!!』
ビクッとアタシの体が跳ねる。
「あ…」
徹はアタシを強く抱きしめた。
そのとたんアタシの目からは涙が流れた。
それから神社に着いた。

正直この事はあまり記憶がない。
『しおり、もうレイプにあった事は受け止めなきゃいけない。辛いのは分かる。』
アタシの両手は徹から握られていた。

聞きたくない話し。
どう受け止めればいいの?
アタシはこんなに苦しい思いをしたんだよ?
なのに受け止めなきゃいけないの?

「…やだっ…」
アタシは必死に両手をほどこうとした。
『今現実で逃げてどうするんだよ!!』
「やだぁっっ!!」
アタシは両手で耳を塞いだ。