アタシは昼桃先輩と一緒に徹を迎えに行った。
桃先輩の家に行ったね。
アタシは疲れて寝ちゃったんだ。
『シォリっ。起きろよ』
顔をペチペチ叩かれて起きた。
起きたら涙が出てて。
夢なんか見てないのにね?
あのアタシが寝ていた時に何を話していたか気になったけど、聞かないでいた。
だって聞くのが怖かったし。
それからアタシと徹はお互いの家に帰った。
それからアタシは疲れてすぐに寝てしまった。
ねぇ、徹?
受け入れるのにどれだけの時間が必要でしたか?
アタシは今でも
あの事は受け入れる事が出来ません。
だってないと思ってたから。
でも現実は違うんだね…。
アタシを苦しめた。
嫌な過去…
8月20日。
9時に寿司屋のバィトが終わって余裕があったから自転車を引っ張りながら駅に向かった。
「駅に着いたら連絡しなきゃなぁ」
徹に早くメールしなきゃな。
笑顔になるアタシがいる。
でも…
『ねぇ』
「…はぃ?」
今日アタシに笑顔はなくなった。
『ちょっと俺らと付き合ってくれねぇ?』
明らかに怖い族が3、4人がアタシを囲んだ。
「えと…急いでるんで…」
『いいからコッチ来いやぁ』
誰も居ない場所に連れて行かれるアタシ。
一体何が起きているのか分からなかった。
これからされる事さえも分からないでいた。
誰も居ない暗闇の駐車場。
アタシは押し倒された。
「やっ」
手首を押さえつけられて身動きがとれなかった。
頭が痛い…。
体が痛かった。
ある程度の行為が終ってアタシは介抱された。
“駅に行かなきゃ…”
アタシは自転車をこいだ。
痛みを堪えながら。
駅に着いてアタシは徹に電話をかける。
【おかけになった電話は現在電波のない場所にいるか…】
でないな…。
痛みを堪えながら駅のホームに行く。
しばらくしてアタシのケータイが鳴った。
相手は徹。
「はぃ…」
『どした?いきなり電話かけてきて?』
いつもと変わらない徹の声。
「…」
何て言えばいいの?
「…くっ。ひっく」
涙が止まらないよ。
『何があった?』
いつになく真剣な声。
「何が起きたか分かんないよぉ。なんでアタシなの…?」
『誰にやられた?』
「…っ知らない族」
素直に答えるアタシが居る。
『まず地元に帰って来い。』
「やだっ!服が…『いいから帰って来い!!分かったな?』
アタシは帰る事を約束した。
9時50分、アタシの地元に帰ってきた。
目の前に徹の姿がそこにはあった。
「徹っ」
アタシは笑顔を作ったけど涙が頬を伝う。
『まず小学校まで行くぞ』
そう行って支えながら歩いてくれた。
小学校に行く途中、
『なんで胸元押さえてるんだ?』
「え…なんでもないよ」
『いいから見せろってっ!!』
「やだっっ!!」
アタシはまた泣いた。
徹は羽織ってたジャージをアタシにかけた。
小学校に着くなりアタシは全てを話した。
「わぁぁんっ」
アタシはただ徹の胸の中で泣くしかなかった。
怖くて、痛くて…。
なんでアタシなのかって。
アタシは笑顔を見せる事はなくなった。
見せるとしたら作り笑い。
アタシは暗闇に落ちてしまった…。
それから深夜にお父さんとお母さんと一緒に警察に行った。
現場検証と事情を聞くために。
家に帰ってくるなりアタシは布団に包まった。
“なんでアタシなの?”
“頭が痛い、体が痛いよ…”
……死にたいな。
アタシに生きてる価値なんかない。
汚れて…傷だらけ。
癒えない傷をおってまで生きていたくない。
アタシの心は暗闇の中。
死にたい、死にたいよ。
それしか思い浮かばなかった。
もう疲れた……。
アタシに生きる意味なんてあるのかな??
次の日。
アタシは警察署に行って来なくちゃいけない。
外は暑いのにアタシは寒かった。
車庫に行くと姉と姉の彼氏が居た。
しばらくするとお父さんから
『シオリ行くよ』
と言われ車に乗った。
警察署に来るなりお父さんは帰された。
不安だけが募る。
警察から言われたのは、
警察の人と一緒に産婦人科に行こうって事になった。
産婦人科に行って、中が傷ついてないかとか調べられた。
頭は大きな打撲。
肩も圧迫されて。
中は傷ついていた。
赤ちゃん産めるのかな?
それからずっと…ずっと警察からの怖い事情聴取。
やっぱり…疲れる。
警察から帰されたのは夕方5時過ぎ。
何回泣いただろうか、すごく目が痛い。
しばらくしてお父さんが
警察署に迎えに来た。
その後まっすぐ家に帰った。
【今日大丈夫だったか?】
徹からのメール。
全然大丈夫じゃないよ。
…大丈夫な訳ないよ。
だって中が傷ついていて、赤ちゃんが出来るかも分からないのに…。
アタシは徹に[大丈夫だよ]と送信した。
嫌われたくない、そう思ったんだ。
あの頃の私は。
しばらくして徹からの返事がきた。
今日会えないかというメール。
正直戸惑った。
暗い道は怖いし、お父さんが外に出してくれるかも分からない。
待ち合わせは神社。
「お父さん、散歩行ってくるね?」
『今日はやめとけ』
そりゃ心配するよね。
「大丈夫。すぐそこだから。8時過ぎには帰るよ。」
そう約束してアタシは神社に向かった。
唯一徹だけが男子の中で心が許せた。
好きな相手だったってのもあるのかもしれない。
しばらくしてアタシは神社の前まで来た。
でも目の前が暗くて、あの日の光景が甦る。
「ははっ。やっぱダメだ…」
アタシは怖くなって後ずさりしていた。