始まりは、あなたがこの町に引っ越して来てからだったね。
平成20年8月17日が私と徹の出会いだったよ。
覚えてますか?
徹は私を初めて見た時、からかったの。
覚えてますか?
あなたは私にネックレスを買ってくれた事。
覚えてますか?
私が徹を好きだったこと。

徹、あなたは覚えてますか?
私に言ったら力強い言葉を。
“お前は生きろっ”
そう言ったのを覚えていますか?

あなたは今私の側に居ますか?
8月17日。
【今日祭だったのに、バイトで行けなかったし】

バイトが終わってから徹にメールをするのが日刊になっていた。
【じゃ、今から駅に行くょ】

「今から?
えぇっ!?アタシすっぴんだしっ。(泣)」

とりあえずアタシはメールを返した。
徹とゆっくり会うのは初めてでドキドキ。
なんか祭は友達としか行った事ないから本当に緊張してる。

駅に着くなりアタシは徹に電話をする。
「徹?着いたけど、どこに居る?」
『あー、今トイレん所』
って居たよ。
なんとなく分かったアタシ。

「どーも」
『身長小さいなぁ(笑)』
「っさいよ!!」
『はははっ。ゴメンって』

確かにアタシは身長148センチしかなくて、ちびっ子だった。
それに比べ徹は170センチくらいだったし。
『シオリ?行くよ』
アタシは徹の横を歩く。
『なんか欲しい物はありましたか?お嬢様。』
「んー…何にしよ。」
アタシは徹が何か買ってくれると言う事で、アタシは優柔不断になっていた。
「アクセサリー系がいいなぁ。」
『アクセサリーだったら店あったよな??』
でも今来ている道にはないので、元来た道を歩いた。
しばらくして、
「あったぁ!」
『んで、何がいいの?』
って言われて、また優柔不断になるアタシ。
「あっ。」
目に止まったのはクロスのネックレス。
「これがいい。」
そう言うと徹はアタシにプレゼントしてくれた。
これが徹からの初めてのプレゼント。

それからアタシと徹は、アタシの家の近くにある小学校に行った。
小学校に向かう途中にアタシは途中徹が買ってくれたネックレスを付けた。
『見せてみ?』
アタシは徹の方を向く。
『似合ってるよ』
その言葉が嬉しくて。
「ありがとう」
と言った。
それから徹とアタシはブランコに向かう。
『うわっ。頭つくしこのブランコ。汗』
「どんまい〜」
アタシはちびっこだから頭がつくことはなかった。
「キャハハハッ」
アタシと徹、二人ではしゃいだ。
その後アタシ達は高跳びで使うマットに行く。
『シォリ早く来いよ』
「待ってよ〜〜」
アタシはマットに上がった。
しばらく他愛もない話しばかりしていた。
それからアタシの過去を話していた。
徹に親から暴力を振るわれ保護所に行ったこと。
保護所を出て、お母さんの実家に行ったけど、厄介払いされたこと。
バィト先の店長からセクハラをされて犯されそうになったこと。
他にもあったけど、言葉が詰まって涙が止まらなくて…。
『…シォリ。俺はお前の家の事はよく知らないし、助ける事もできない。
でも俺がお前にできる事は、話し聞いたり、肩貸してやったりはできるから。』
そう言って徹はアタシを抱きしめてくれた。
アタシはただ声をだしながら泣いた。
誰も聞いてくれなかった過去。
同情をされる毎日。
そんな環境に居て、アタシの心を枯れていた。
でも今こうして水をかけてくれた人が居た。
それが…【徹】でした。
しばらくして泣き止んだアタシは帰る事にした。
ケータイのディスプレイを見るともう11時を回っていた。
「アタシ、徹と付き合いたい」
徹を見ないで伝えた、自分からの告白。
徹はもちろん【いいよ】
って言ってくれるかと思ってた。
『俺は今のお前とは付き合えない。』
そう言われた。
…振られた。
「そかっ。だよね。」
アタシは笑顔で答えた。
家に着くなりアタシは徹にバイバイした。
それからアタシと姉はお父さんから怒られた。
今日は振られた日。
辛い1日だったな。
アタシは徹を諦めれない。