「名前、君の名前を教えてほしい」

同い年くらいとはいえ、いくら何でも怪しすぎる。
でも、彼の顔はなぜか切羽詰まったような表情だった。


何か重要なことなのか。
私が関わっていること?

いったいこの人は何なのか。

悪い人には、見えない。何かを企んでいるようにもみえないし、凶器を持っているようにも見えない。

「はぁー」

ため息を一つついて私は名前を言った


「榎本彩生」


彼の目の色は、茶色い。肌は真っ白。髪は少し寝癖がついている。

どうでもいいことばかり目に入ってくる。