「もうすぐ、わかるよ」
柚くんはどちらかといえば肉体派だ。
スピード、身軽さ、反射神経についてはガーディアンメンバーでもとくに優れているし、そんな彼にこのゲームが当たってしまったのはギオンにとって不運だったとしか言えない。
他ならぬあたしも、いちおう〝サバゲ〟の経験者。
珍しいペアではあるけれど、あたしと柚くんにとってこのバトルは圧倒的に有利なゲームになる。
だからといって、もちろん……手加減はしないけど。
『双方、準備はいいか』
なっちゃんの声がフィールド上に響きわたる。
独特な緊張感。
相手を睨みつけるふりをしながら、あたしはフィールド上の地形をサッと把握した。
ここはあたしが葛鬼と戦った時のフィールドとよく似ている。
縦横約200メートルの砂地を基盤として、あちこちに身を隠せる岩場が作られており、決して視界が良いわけじゃない。
デュエルで使ったフィールドは周りがジャングルのように木々に囲まれていたけれど。
ここはそれがないから、そのぶん広く感じるかも。