「まあこれから長いから、きっといつか向き合わなくちゃいけない時はくると思うけど、そのときに僕もちょっぴり思い出してほしいなあって……いまは、それだけ」



ふとどこか寂しそうに笑った柚くんは、あたしがなにかを言うよりも前にコロッと表情を変えて大きく伸びをした。


そのとき、バトル内容が〝サバゲ〟に決まったとなっちゃんの声でアナウンスが入る。



「サバゲだって、カノちゃん」


「う、うん……」


「ほらほらそんな顔しなーい! せっかくのゲームだよ? とことん楽しんで、とことんぶちのめさなきゃ! 帰ったらカノちゃんのアップルパイもあるし、今日は楽しいことづくめだなぁ」



ね?☆ とウインクを飛ばしてきた柚くんに、ほっと肩の力が抜ける。


変なことを聞いてくるから、あやうく果てのない思考の世界に飲み込まれてしまうところだった。


……向き合わなくちゃいけないときはくる、か。


でも、そうだよね。


あたしたちは同じガーディアンの仲間で、みんな同じように大好きだけど、誰もが同じ方向を向いているとは限らない。


いつだって少しずつ心を向き合わせながら、そのときの自分が出した答えに従って進んでいくんだ。