そんななか、フィールドへ入る直前……柚くんが奇妙なことを言い出して。



「ねーえ、カノちゃってさぁ、みんなのこと好き?」


「みんなって……ガーディアンの?」



いきなりどうしたの?とキョトンと目を瞬かせると、柚くんはちょっぴり楽しそうに、けれどどこか真剣味を帯びた表情でうなずく。



「そりゃ、好きだよ。みんな」


「じゃあさ、どういう好き?」


「どういうって……」


「日向っちへの好きと違う好きの相手っているの?」



……それはつまるところ、家族や友だちの〝好き〟とは違う〝好き〟な人はいるのかってこと?


やけに遠回しに、真面目なのかふざけているのかわからない顔で柚くんがあたしを見るから、バトル直前なのに狼狽してしまう。


急にそんなこと言われても……。



「律とかさ、どう思う?」


「り、律くん?」


「カノちゃんよく赤くなるでしょ?もしかして〜って」



あ、赤くなる!?


そう指摘された途端、脳裏に律くんのあれやこれやドキッとする言動が過ぎって、頬にかあっと熱が集まる。