「あなたはいつも中心にいる。リーダーだからじゃない。あなただから、彼らはあなたを守ろうと必死になり、あなたの笑顔を見るために日々戦っている。姫咲花乃香というたったひとりの女の子を中心として、彼らの今はまわっているんです」



振りかえる。


恭也、律くん、ユキちゃん、柚くん、日向。


みんな、あたしを見ていた。


ぎゅっと胸が苦しくなるくらい、あたしの存在を受け止めてくれていた。



「あなたはそれだけの魅力にあふれた女性だ。たとえ理事長のお孫さんでなくとも、私はきっとあなたを選んでいたと思います」



……でも、たしかに、櫻井さんが今まで言っていたことを思いかえせば、あたしが理事長になるのは筋というものなのかもしれない。


あたしは理事長の血縁……あとを継ぐものとしての資格がある。