「姫咲様の単独行動には正直驚かされましたが、そのぶんあなたには……いえ、あなたと日向様には彼らが必要だということが分かりましたので判断至った次第です」



あたしと日向に、みんなが必要……?


一度話を戻しますと、と前置きして、櫻井さんは続ける。


「さきほども申し上げた通り、私はこの学園の生徒でしたが、ある時ヘマをして退学となってしまった。…普通ならそこで第二学園へと進むのですが、いちおう当時の私は首席だったこともあり、例外として理事長から直接声をかけて頂きました。〝秘書〟にならないか、と」


「え、首席……」



同じ立場として反応せずにはいられない。


思わず声を上げたあたしに櫻井さんは珍しくクスッと笑って、「あなたほどではありませんが」と付け足した。



「それからずっと理事長のおそばで、秘書として学園の経営に関わらせて頂いていました。日向様がここへやって来てからは、日向様の身の回りのお世話も私の仕事です」


「あ、だから執事の仕事も出来るんだ!」



なるほど〜!と声をあげた柚くんに、櫻井さんは曖昧に頷く。


どこか照れくさそうにも見えるのは、あまり自信がないからかもしれない。