「第二学園では戦闘はありません。基本的な教養から一般常識など、天才が世に馴染んで生活していくために必要なことを学びます」
「それが……欠陥ってこと?」
「欠陥、というよりは、経験の方が近いでしょうか。あなたたちにも身に覚えがあるはずです。天才と呼ばれるほどの能力を持つがゆえに、世間から一線を引かれ、逸脱しなければならない──。だからこそ、あなた方はここへ来る決意をしたのでしょう?」
……誰も、言い返せなかった。
あたしを含めたメンバー全員が櫻井さんから目を逸らす。
その通りなんだろう。
あたしたちは、いわゆる〝普通〟を知らない。
幼い頃から周りとは何かが違かった。
出来ることも、考えていることも。
それが当然だと思ってやったことなのに、周りの大人たちはいつも驚いたような顔をしていた。
時には、恐ろしいものでも見るような目で見てくる時もあった。
称賛され、忌み嫌われる。その繰り返し。
普通じゃない。
何度その言葉をかけられたかわからないけど、良い意味でも悪い意味でも、あたしには変わらず嫌な言葉だった。