「気になったことはありませんか? ここを途中退学した生徒たちがどこへ行き、なにをしているのか」


「そりゃ気になってはいるけど……」



現在あたしたちはそれを執行する立場にいる。


でも、それだけだ。

退学処分となった生徒たちは教師に引き渡されるけど、その後どうなるのかはあたしたちも知らない。


ここに入学する前から疑問には思っていた。


有栖川学園は外部の人間からすれば、言葉通り……未知の世界なのだ。


なんの情報もない。


ただ、学園から招待された天才の中でも選りすぐりの天才だけが入学することが出来る特殊な学校ということだけ。


でも、いくら国家機密という名の絶対的なもので守られているからと言って、ここまで情報が漏れないのはおかしな話だった。


有栖川学園にはこれまでの卒業生や退学生がいるはずなのだから。


それゆえに、一部ではそんなもの本当はないんじゃないか、という声もあったくらいである。