「あながち間違ってもいません。彼ら教師を統括しているのは私ですから、上司といえば上司でしょう。本来は私の役目ではないので〝代理〟ではありますが」


「代理? なにそれ、どーいうこと? てか櫻井さん執事じゃないの?」



意味わかんない、と柚くんが肩を竦める。


たしかによくわからない。


執事と教師はなんの関係もないだろうに、どうして櫻井さんが教師の統括者〝代理〟なのか。


本来その地位にいる人が欠員しているとしても、代理を仕立てるなら他にもっと適任がいたはずだ。


教師なら教師の中から選ぶのが妥当というもの。



「……そうですね、まずはその辺りから説明しましょうか。どちらにせよ、私が何者なのかについても気になっているでしょうし」



櫻井さんは意味深にあたしを見る。


今朝、何者なの? と尋ねたあたしに櫻井さんは『時がくればわかる』と言っていたけれど、もしかして今がその時なんだろうか。


つまり最初から……こうなる予定だったの?