なっちゃんがどうして、あたしたちガーディアンをこの場所に緊急招集したのかはわからない。


ただあたしの顔を見たとたん、入口の警備員さんたちは自ら身を避けて通してくれた。つまり話は通っているということだろう。


でもあたしが葛鬼との勝負を終えたタイミングでの招集は、ぜったい何らかの関係があるに決まっている。



「日向、大丈夫だよ。泣かないで」



それに、もうひとつ。


日向が理事長の孫という話も関係あるかもしれない。


日向からこれまでここでどう過ごしていたのかという話は聞いたことがないけれど、孫ならきっと会ったことがあるはずだ。


もしかしたら、この先でなにか……あたしたちがまだ知らない重大なことが明らかになる可能性もないとは言いきれない。



──ある程度の覚悟は持っておいた方がいいよね。



「姫ちゃんそろそろ代わろうか」


「え? あ……」



たしかにそろそろ腕が疲れてきたかもしれないけど、この様子じゃ離れてくれるかどうか……。



「日向? ユキちゃんのところいける?」



ダメもとでいちおう尋ねてみるも、日向はぶんぶんとはちきれんばかりに首を横に振った。


どうやら断固拒否らしい。


ですよね、と苦笑を零しながらズレ落ちてきた日向を抱え直す。