「えぇ……ウソでしょ? これで終わり? 虫で??」
あんなに、さんっざん煽っといて?
あたしたちをこんなにコケにしといて、まさかの虫で自滅するの?
あまりに無残な終わり方にここまでの決意をもろとも打ち砕かれながら、あたしは深くため息をついた。
打ち落とされた白い虫たちは近くで見ると殻付きで、あたしの石礫を喰らってもなおうねうねと動き続けている。
うえぇ……何この虫、ホント気持ち悪い……。
なんてもん飼ってんのよ、こんなフィールドで……。
横目にゾッとしながら、あたしは目を回している葛鬼のブレスレットからいちばん大きなスターをひとつ奪い取る。
葛鬼ほどのスター数となると全てを持ち歩くのは大変なので、この代理の大スターの中にスター数情報が組み込まれているのだ。
「じゃあ、これ遠慮なくもらうからね」
どちらにしろ……コイツはもう退学だ。
これが1vs1の怖いところだよね。
もちろん今回の条件では互いに全スターを賭けていたし、もしもあたしが負けていれば同じように退学行きだったわけだけれど。