次の瞬間、
「ギャッ」
なんの叫び声なのか葛鬼のそんな声が聞こえてきて、バサバサ!ドサッ!ガスッ!ボスッ!ボキッ!というじつに派手で痛そうな音があたりに響き渡る。
あ、あれ? もしかして落ちた?
ホントに当たっちゃった系?
石礫の連弾が止まったはいいものの、まさか葛鬼がまったく避けないなんて思っていなかった。
その痛々しい音に思わず敵にも関わらず身を案じてしまう。
けれど、それもやはり杞憂だったようで、すぐにジャングルから葛鬼が出てきた。
……いや、飛び出してきた。
「ひ、ひぃぃいぃいっ! 虫! 虫がァッ!」
葛鬼は耳が痛くなりそうなほどの高音ボイスで発狂すると、視界に入ったあたしめがけて、とんでもない勢いで駆け出してくる。