バコン!


と激しい音を立てて、プツッ……と嫌な音がする。


やべ、とは思ったものの……時すでに遅し。

画面が破壊されたモニターはもう何も映していなかった。



「……!?」



絶句するように日向が全身を硬直させて、信じられないものを見るように俺を見上げた。


隣ではユキがその場で卒倒しそうになっており、「あー!?」と駆け寄ってきた柚がモニターの様子を確認したあと「か、カノちゃーん!」と絶叫する。


律はと言えば、無言で俺に近づいてきたと思うととつぜん日向を抱きあげて、そのまま……


───ゴスッ!



「うぐっ……!?」



優雅に一回転、なんて言葉じゃ表せない。

鉛玉でも食らったような回し蹴りが鳩尾に埋まり、俺は反論をする間もなくその場に崩れ落ちる。


な、な、な……!?



「……失せろ」



なんだコイツ……!?


絶対零度の瞳で俺を見下ろす律に、怒りよりも底知れぬ闇を感じて、俺はわけがわからないまま痛みに耐えるしかない。


ただひとり、後ろからゆっくり歩いてきた関西弁のいけ好かない野郎に「アホやなぁ、自分」と同情のこもった目を向けられた。