「──おいカノカ!」



気づくと俺は、勢いのまま日向を抱きあげて自分もモニターに強く手を打ち付けていた。



「このドアホ! なんでわかんねぇんだよ! 首席とかぜってー嘘だろ!?」


『……は?』


「こんな重要な場面で言葉を選び間違えるとか、ほんとお前……もう……」



どうしようもない、と隣で頭を抱えるユキとびっくりしたように俺を見上げる日向。


後ろから聞こえてきた「バッカじゃないの」という呟きに、あ? と振り向くと柚が軽蔑したような目でこちらを見ていた。


律でさえ、やれやれといったようにひとつため息をつく。


揃いも揃ってなんだってんだ。


べつに俺は間違ったことは言ってねーだろ!



「お、お前がいつまでもそんな辛気臭せぇ顔でアホみたいなことばっかり考えてっから……!」


『いや……まぁ、うん……え?』


「え? じゃねぇ! とりあえず今すぐそのムカつく野郎をぶっ飛ばして戻って来やがれ! 話はそれからだ、アホ!!」



回り出した口は止まらない。


呆れを通り越したのかポカンと口を開けているカノカにそう言い放つと、俺は力任せにモニターを殴った。