あたしは葛鬼の対面方向にある岩石に飛び乗って、風でなびく制服をはらった。


わずかに潮の香りのするフィールドで緊迫した状況を打ち消すように、あたしはフッと口の端を小さくあげて笑ってみせる。



「葛鬼神楽──いいよ、教えてあげる。あたしの本当の過去を」