「朝4時の時点で学園内に異常はないね」
「……いや、待て。4時28分の門の近くに人影がある」
柚の指摘にすかさず律が補足を加えたので見てみると、たしかにその時刻、門の近くには人影が映っていた。
見えるか見えないかの絶妙な具合での映り具合からするに、おそらく監視カメラを意識しての移動だったんだろう。
……しかしまぁ、舐めてもらっては困る。
「ちょうど姫ちゃんが出ていった後だ。何かしら関係はあるだろう。柚、この映像を分析して人物の特定を頼めるか」
「まぁ分析系は得意じゃないけど、これくらいなら余裕かなー」
そりゃそうだ。
なにせここの入学試験には高度の分析技術が必要になるものもあるし、それが通らなければガーディアンになるほどの成績は残せない。
そう、俺たちの強みはバランスだ。
得意分野はあれど、たいていのことは皆それぞれこなすことができる。
普段はあまり得意分野以外の仕事はしないがな。