「まーさか、自分から来てくれるとはねぇ〜……クイーンズジョーカー?」



待ち構えていた葛鬼は嘲笑うようにククッと喉を鳴らした。


私はピクリとも表情を崩さない。


ただ静かに葛鬼を見つめていると、やがて葛鬼は面白くなさそうに笑うのをやめて肩を竦めた。



「なんですかぁ、そのつまんなさ。もっと歪んだ顔を期待してたのにぃ〜……ま、これから泣き叫ぶまで壊してあげますから、いいんですケド」



相変わらず、どこからどこまでも腐った人間だ。


こんなヤツをガーディアンにしたら、一瞬で学校は崩壊する。


いや……崩壊するだけで済めばいい。


もしかしたら、その先の───国家間まで影響が及んでしまうかもしれない。


そんなことになれば、彼を咎められなかった初代ガーディアンの私たちに責任が被せられてしまう。


私だけならまだしも……みんなにまで。


みんなの人生は、これからが花咲く時だ。


ここで終わらせるわけにはいかない。


ぜったいに、全員を卒業まで導かなければならない。