◇
目を覚ますと、見覚えのある天井と天蓋が視界に入った。
どうやら、マスター寮のあたしの部屋らしい。
ぼんやりする頭で自分がなぜ寝ていたのかを考える。
ああそうだ、あたしは葛鬼に……。
「っ……うっ」
急激に襲ってきた吐き気に、身をよじり体を丸めて口を抑える。
……こんなふうになるのは、いつぶりかな。
ここへ来てからはなかったのに。
猛烈な吐き気に耐えながら、あたしは這うようにベッドを降りて、壁に伝い歩きしながらなんとかトイレへと向かう。
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