……あぁもう、限界。
綺麗に正されたベットの上に倒れ込む。
頭が痛い。節々が痛い。体が重い。
熱い。寒い。だるい。
こうも典型的な症状で、ここまで辛いものだろうか。
マスターズルームへ戻る気力もなく、髪も濡れたまま、あたしは瞼を伏せた。
このままもう一度眠ってしまおう、と思ったその時────
ドンドンッ!
壊れるんじゃないかと思うほど激しく扉が叩かれた音に、びくりと体が揺れる。
な、なに?
「おいカノカ! いんのか!?」
「その声、恭也……?」
恭也らしくないずいぶん焦ったような声。
「ちょっと、待って。いま行……きゃっ」
ドアを開けに行こうと起き上がった直後、ふらついた体でうまくバランスが取れずに、ズルッとベットから落ちた。
「おいカノカ!?」
その音が聞こえたんだろう、恭也の声がさらに焦りを増す。
というか、うるさい。
ドンドンするのも大声出すのも、お願いだからやめてほしい。
頭に響くから。