そっと部屋を覗くけれど、まだみんなは起きていないようだった。


少し迷ってから、下階にある自分の部屋にある着替えを取りに行くことに決める。


いつまでもこんなバスローブ1枚じゃいられないし。


あたしの部屋があるのは、一階下。


エレベーターを使うまでもないので、おぼつかない足取りながら螺旋階段をおりて、自分の部屋へ。


ちなみに、個人部屋の扉を開けるには、単に鍵で開ける方法と指紋認証の二種類がある。


本人が入るなら指紋認証。


昨日のユキちゃんと恭也のような、何らかの事情で他人が入る時は鍵を使う。


寮の部屋ほどではないけれど、棟の個人部屋も一家が余裕で暮らせるほど広い。



「えっと……」



今日はたしか土曜日だ。


学校はないし、制服じゃなくてもいいか。


ぼんやりとした思考をなんとか正しながら、クローゼットを開ける。


下着と花柄のワンピース。


バスローブを脱いで、素早くそれらを身につけながら、洗濯物は全て洗濯カゴに放り込む。


洗濯物は頼めば櫻井さんがやってくれるけど、まぁこれぐらいの量なら頼むまでもない。


これの他に、昨日制服のまま眠ってしまったせいで、よれよれになったスカートはクリーニングを頼むとして。