「ねーねーカノちゃん、僕は? 僕は?」



はしゃいでいるのか、柚くんが目をきらきらさせて見つめてくる。


……しまった、柚くん、どうしよう。



「ゆ、柚くん、は……」


「うん!」


「あ、あたしと一緒に交渉……そう、交渉しに行ってくれる? 柚くんの可愛さで相手のこと落としちゃって!」


「え〜? そう? やっぱり僕の可愛さにはみんな敵わないもんねえ。わかった、全力で柚フェロモン撒き散らしにいくよっ☆」



あぁ……うん、あはは。


むしろ逃げていってしまわないか不安になるけれど、存外彼のフェロモンは舐めちゃいけない。


普段の見回りでも、柚くんの女の子みたいな可愛さに見惚れる輩は大量にいるのだ。