「スターの数が有り余ってるとなれば、ペナルティの消化は容易いな。いくら課せられても消化しちまえば退学にはならない」


「誰だよスターでペナルティ消化なんて考えたやつ。バカじゃねぇの」



ユキちゃんの思案するような呟きに、恭也がちっと舌打ちをかました。


たしかに、この制度は厄介だ。


課せられたペナルティをスターとの交換で揉み消せる───という、葛鬼みたいなタイプのためのような制度。



「……まぁ、話を戻すがな」



考えていても仕方ない、とでも思ったのか、なっちゃんは頭を振り払うと手元の資料にふたたび目を落とした。



「単刀直入に言うぞ。ガーディアンでスター狩りを討伐してくれ」



……討、伐?


ピン、と場に空気が張り詰める。


すると、不意に律くんが立ち上がった。



「律くん?」


「……要は、そいつを叩きのめせばいいんだろ。なら、俺がやる」


「えっ? え、ちょ、待って待って」



いきなりどうしたの?


律くんの声音に怒りがこもっているのに戸惑って、慌てて声をかける。


柚くんがそんな律くんを一瞥しながら、「あー、うん」と肩を竦めた。



「カノちゃんと恭也がその話をしてた時ね、律たぶん寝てたから聞いてなかったんだよねぇ」



……そうだっけ?


言われてみれば、たしかにそんな気もする。



「だから今初めて聞いたんだよ、カノちゃんが危険な目にあったって」



あぁ、なるほど。


それで怒ってくれてるのか。