なんだろ、変な恭也。
校内を一通り巡回し終え、あたしたちは校舎を出ると今度は敷地内をひと回りする。
突然口数が減った恭也は、ずっとだんまりだった。
変な空気になるのも嫌なので、あたしが「どうしたの?」と尋ねようと口を開きかけた────その時だった。
「っ……!?」
突然背中を走った寒気に、あたしは直感的に隣を歩いていた日向を抱き寄せ地面に伏せる。
直後、ブンッ! という何かが空気を鋭く引き裂く音が聞こえ、
「っ、なめんじゃねぇぞ!」
続けて、恭也の怒号。
さらにガンッ! と何かが激しく衝突する音が響き、あたしははっと顔をあげた。