「でもユキちゃんとペアの時は、恭也たちが心配でまともに巡回も出来ないよ」


「んだそれ」



そもそも恭也と柚くんのペアのなかに、あの律くんをひとり放り込むのは危険だ。


律くんはきっと怒ったら誰よりも怖い。



「……あれ、でもそういう意味では、恭也と一緒の時が全体的なバランスとしてはいいのかも」



ふとそんな結論に至って、あたしが眉間にしわを寄せると、恭也はきょとんと目を瞬かせた。


それからなぜか目を泳がせはじめる。



「そ、そうかよ」



声が上ずっていた。


恭也のくせに、珍しく動揺しているらしい。


そんなに変なことを言ったつもりはないんだけど、と首を傾げながら「うん」と頷くと、恭也はぷいっと顔を背けてしまった。