「……律くんは優しいしよく気がついてくれるんだけど……なんだろ、謎が多いからかな二人きりのペアだとなんか不安になる」
「ふたりじゃねぇだろ、チビを忘れんな」
「忘れてないし、そこ突っ込むところじゃない。あたしと日向はいつも一緒なの」
「そうかよ。じゃあ……柚は?」
「柚くんは……」
柚くんとペアになった時を思い出すけれど、なにかと甘い記憶しか出てこない。
「柚くんと毎日一緒にいたら、太りそう」
しみじみとそう言ったら、恭也がぷっと噴き出した。
違いねえな、とお腹を抱えて笑う恭也に、私もつられて笑う。
「でも、そう考えたらやっぱりユキちゃんかな。色々と安心するもん」
「雪?」
「恭也と違って穏やかだからね。物が飛んできても軽々受け止めてくれるし、喧嘩してたら普通に止めに行くし、日向もいちばん懐いてるし」
「あー……まあ確かに」
「なんていうんだろ、守護神? お母さん的安心感? 任せておいて大丈夫だなーって、のほほんと出来る感じ」
大樹みたいに身をゆだねられるユキちゃんがいるだけで世界は安泰だと思う。
真面目にそう言うと、恭也は苦笑した。