「俺はあーいうの苦手なんだよ。雪みてーに人を諭すとか見守るとか出来ねぇし、だからといって柚の心臓から喰われるような毒舌も思いつかねぇし、律はそもそも論外だし。力任せにどーこーしか能がねぇ」
「……自覚はあったんだ？」
「たりめーだろ」
へえ、と少し意外に思う。
俺様なのに、恭也はあまり自分のことを過大評価しない。
だからといって過小評価するわけでもなく、あるがままをちゃんと見極めている。
案外それは難しいことだ。
あたし達みたいな他人に評価をされすぎている人間はとくに。
こういうところを知ると、なんとなく恭也のことを見直す時があるんだよね。
「なぁ、お前は誰と一緒が良いわけ」
「は？」
「は？ じゃねえよ。俺と組むよりあいつらと組む方がいいんだろ。だから誰がいいんだって聞いてんだよ」
いや、誰って言われても。
そんな無理難問を……とあたしは頭を悩ませる。
