「カリキュラム施行からもう2ヶ月だ、お前らももう慣れてきた頃だろ。だが最近、少しばかり厄介なことが起きててな」


「厄介なこと?」


「あぁ」



なっちゃんは封筒の中から取り出した書類を、順にテーブルの上に並べていく。



「これは……?」


「ここ1ヶ月の特殊フィールドの使用履歴と、使用している生徒たちの詳細書。それから、今学期が始まって退学になった生徒達の退学理由など諸々」



特殊フィールド。その言葉に、あたしと恭也がぴくりと反応した。


無言で視線を交わして、なっちゃんの言っている『ミッション』とやらの内容を推測する。



「───スター狩り」



あたしがぽつりと声を落とすと、なっちゃんは視線だけで頷いた。


ユキちゃんたちもその言葉で事情を察したようで、あからさまに顔をしかめる。



「……まぁ、お前らも全く気づいてなかったわけじゃないとは思うが」



いや、気づいていないどころじゃない。


あたしと恭也……そしてなにより日向はこの件にすでに巻き込まれているのだから。


───そう、あれは、約二週間前の話だ。