「ああ、ならみんなの分もいれるか。お前らなにがいい?」



ユキちゃんが思い立ったように立ち上がり、キッチンへ歩いていく。



「……ブラック」


「僕、お砂糖たっぷりのハニーラテ!」


「悪いな、普通のカフェオレで頼む」



それぞれの注文をユキちゃんは「見事にバラバラだな」と苦笑いで受け取り、恭也の50倍速ほどの速さで四人分の飲み物を用意した。


相変わらず仕事が早い。


ユキちゃんがそれぞれの前に差し出し終えたところで、あたしたちはようやくなっちゃんへと向き直る。



「さてと、じゃあ改めて……今日はお前らへの依頼の話をしにきたんだ」


「依頼?」


「そう、ミッション」



なんのことやら、また大きな話が繰り出されそうな予感にあたしたちは揃いに揃って眉間に皺を寄せた。



「ったく、ノリが悪いな」



なっちゃんは苦笑いを零しながら、鞄から真っ黒な封筒を取り出して机の上に滑らせる。