「なになになになにこわい。ユキちゃん、恭ちゃんが壊れた。ちょっと、具合でも悪いんじゃないの? 大丈夫?」
「うるせぇな。いちいちテメーに売られた喧嘩買ってたらキリがねぇんだよ。ガキ」
「はあ!?」
あー、でもやっぱりこうなるのね。
あははとから笑いが零れる。騒がしかったのか、腕のなかの日向が目を覚ました。
「おい、お前らうるさいよ。いい加減顔合わせる度にケンカするのやめろ」
「……はぁ」
見かねたユキちゃんが仲裁にはいり、黙って見守っていた律くんがあきれたように嘆息した。
ホント、このふたりの相性問題はいちばん厄介だ……。
あたしは起きてしまった日向を抱き直しながら、どうしたものかと頭を抱える。