そう、あたし、最近気づいたんだよね。


恭也はあたしと二人きりの時の方が、なにかと穏やかになるってことに。



「あれなに、恭ちゃん自分でコーヒーいれてんの? 珍しいこともあるもんだねぇ」



柚くんがここぞとばかりに、もともと大きな瞳をさらに大きくした。


恭也がきっと眉根を寄せ、「あぁ?」と鋭利な眼光を飛ばす。



「ち、違うよ、柚くん。あたしが日向のこと抱っこしてて出来ないから代わりにやってくれてんの」


「へえ、恭ちゃんってつくづくカノちゃんに甘いよねえ。ツンデレってやつ?」



キミは逆に恭也へのあたりが激しいよ!


はらはらと恭也の様子を窺うと、あからさまに顔を顰めたまま、こちらを見ていた。


いつもならここで……



「……別に、俺がなにしようと勝手だろ」



あれ?


確実に乗せられて怒号をあげると思っていたのに、恭也は予想外な反応を見せる。


これにはあたしだけではなく、柚くんもユキちゃんも驚いたようだった。