「……つ、かれたぁ〜っ……」



一時はどうなることかと思ったけれど、律くんと言葉を交わした心優しい熊さんのおかげで、あたしたちはなんとかマスター寮へと辿り着いた。


寮、といえど、完全設備の整ったそれ。


実際、マスター寮へ繋がる道もきちんと設備されていた。


あたしたちがまんまと騙されて通ってきた看板は、もう何年も前に作られた旧マスター寮のものだったらしい。


なんでそれを言わなかったのか先生に訊ねても、おそらく上手く誤魔化されるだろうから、わざわざ訊いたりはしないけど。


そしてあたしたちには、それぞれの個性にあった部屋が用意されていた。


3LDKで、ひとり部屋しては大きすぎるくらいの広さだった。


それが6人分。


くわえて、温泉、実験施設、トレーニングルーム、戦闘擬似用ルームなどの設備も揃えられているというから驚きだ。