「おっはよー!このはー!」

「わっ!?」


元気いっぱいなあいさつと共に、仁奈が後ろから抱きついてきた。


「芦沢くんもおはよう!」

「おはよ」


翼の、普通のあいさつを聞いて、思う。

だから、何であたしには「ああ」しか返してくれないの。


「どうしたの?仁奈、今日は朝からテンション高いよね」

「えー?聞きたい?えいっ!」


と、仁奈は自分のスマホ画面をあたしの顔の前に掲げた。

近すぎて、むしろ見えない。

寄り目になりそう。