莉子「天真ー!」
あれから、また少したち、
あたしたちは仲良しグループになった。
今は、天真とあたしだけ。
みんなは、ジュース買いに行ってます。
天真「おおっ!莉子!
どうした?!?!」
莉子「あのね〜」
天真「なんだよ?」
莉子「明日はなんの日でしょ〜か!」
天真「……」
朝から、あたしはすっごい元気!
だって…明日は!
天真「お前の誕生日…だろ?」
莉子「正解!!!」
さすが天真!
分かってたんだ!
莉子「あれ?
でも、なんで知ってるの?」
天真「いやいや!
さすがにその流れじゃわかるだろ!」
莉子「へへ、そーでしたか…」
小さい子みたいに喜んでるあたし。
天真は、呆れてるけどね!
気にしない気にしない!
天真「まあ、でも。
男が苦手な莉子ちゃんは
彼氏と過ごす予定なんて
ないもんねー」
うっ!…何よ!
おこちゃまみたいに扱って〜!
すると、突然、廊下が騒がしくなった。
「七星さん!!呼んでるよ!!」
なぜか、
クラスの子がテンション高めに
言ってきた。
だれが?と思いつつ、笑顔で返事をする。
莉子「ありがと!
天真、ちょっと行ってくる!」
天真「はいよ〜」
教室の入り口に走って行くと、
そこには…。
莉子「ひーくん?!」
久しぶりな人がいた。
浩平「おう!
……てか、呼び方戻ってるし……。
浩平、だろ?」
莉子「あっ!そーだった!」
このごろ、
浩平は部活に集中するみたいで
全然会ってなかった。
もう大会が終わったのかな?
莉子「大会!どーだった?」
浩平「だめだった。
まあ、次は負けねーけどな」
莉子「そっか!浩平ならできるよ」
浩平「知ってるー」
莉子「なにそれ!笑」
…やっぱり、
普通に話してても周りの視線を感じる。
さっきの子も、
浩平に話しかけられて嬉しかったから、
テンション高かったのかな。
莉子「浩平って…すごいよね」
浩平「なにが?」
莉子「……なんでもない」
あっ!そーいえば!
浩平、あたしが誕生日だって
知ってるのかな?!
莉子「ねー!浩平!
クイズね!」
浩平「おう?急にだな…」
莉子「明日はなんの日でしょー?」
浩平「ぷっ!…」
笑った?!
吹き出したよね?!?!
なんで?!
大爆笑してるし…
莉子「なに?!」
浩平「言うと思ってた…
ははっ…やっぱ、
期待を裏切らないよなー」
は?!
どーいうこと?!
浩平「明日がなんの日かぐらい、
わかってるってことだよ」
莉子「ほんと?!」
自分でも、
目がキラキラしてるのがわかる。
莉子「浩平もお祝いしてね!」
浩平「はいはい、わかりましたよー」
あたしは、満面の笑み。
浩平「…っ////」
浩平?
なんで顔赤いの?
あたしが、心配になって、
浩平の顔に触れた時…。
天真「工藤?!」
後ろから、天真の声がした。
莉子「あっ、天真!
紹介するね!」
天真「ちょ、ちょ、ちょっと待て!!
あの鈍感なおこちゃま莉子に、
彼氏がいたなんて…?!うそだろ?!」
はああああ?!
なに言ってんの!
鈍感?!
おこちゃま?!
びっくりしずぎでしょ!!!
しかも、彼氏じゃないし…?!
莉子「もう!天真!
彼氏じゃないよ!」
浩平「え?………ああーだよな!
ありえねーよな!」
殴りとばしたい…。
強くそう思いました…。
浩平「彼氏じゃねーよ。
だって、旦那だもんな?莉子」
さっきまで、赤くなっていた浩平は、
ニヤッと笑って、
あたしの腰に手を回した。
莉子「ちょっ?!」
浩平「何照れてんの?
ホントのコトじゃんか」
莉子「そんな!…………っ!?………」
浩平に「合わせろよー」って
目で見られて、
何も言えなくなる。
天真「えっ………あの工藤が……
りりりり莉子の旦那?!?!?!」
浩平「いつも俺の妻が
ご迷惑をお掛けしてますー」
…ちょちょちょ…?!
もう、浩平!
ほどほどにしないと、怒るよ!
とか思いつつ、
妻っていう慣れない呼び方でよばれて、
勝手に赤くなる顔。
うわあああ…。
莉子「こっ浩平///……恥ずかしい…///」
もうドキドキしすぎて、
限界で…
天真の後ろに隠れた。
だけど……。
ぐいっ。
その瞬間、すぐ浩平に引っ張られた。
浩平「そっちじゃない」
んんんん?!?!
なんで普通にそんなことできるの?!?!
イケメンって…ずるい…。
ていうか、すねてるし…。
なんで俺の方にこないの?
ってことですよね…。
鈍感と呼ばれているあたしにも分かるよ…
その意味くらいは。
莉子「は、はなして!
浩平は、やだ…」
浩平「は?!なんで」
莉子「………わかんないけど…
なんか熱くなるから…」
浩平「……なんだそれ?
………!…あー、
そういうことか…ふーん??
そっか〜」
うれしそう…。
なんで?!
なんか気づいたみたいだし…。
あたしが熱くなったら、浩平は嬉しいの?!
変な奴!
って、隣にいる天真をみると、
もう放心状態。
わけわかんないんでしょーね。
バカですから。笑
天真でこんなになっちゃうんだから…
大輝もきっとこんななっちゃうよね…?
早希は大丈夫だろうけど…。
あ、やばい!
そろそろ、大輝が帰ってきちゃう!
また浩平に嘘つかれたら、大変だよ…!
莉子「こっ浩平!
あたし、用があるから…」
浩平「なに、急いでるとか?」
莉子「うん…ごめんね」
じゃあ、しょーがないやと
浩平はあたしから離れた。
浩平「友達くん、
莉子に手出すの禁止ねー」
浩平は、笑顔で天真に言った。
こわい…。
あたしでも、びくってするほど…。
ていうか!
未緒だけじゃなくて、
浩平にもドキドキして…。
あたしって、意味わかんない!
早希「ただいま、莉子」
莉子「あっ!おかえり〜
早希!」
歩美たちが、ジュースを持って、
帰ってきた。
大輝は、
たくさんのジュースを持たされてる。
あれから、ほんとに仲良くなった
あたしたち。
最初は、こっちが警戒してたけど、
ほんとにいい人たちだってわかったから。
大輝と天真は、元気でおもしろいし!
早希は、なぜかあたしになついて(?)
くれてる。
まあ、優先順位は、
食べ物よりもあたしのほうが
下なんだねどね。
歩美「あら?」
歩美が、
さっきから放心状態の
天真に気づいたみたい…。
歩美「なんか天真の様子が
おかしいけど…
なにかあっ
莉子「ないないないないなーーーい!」
歩美の質問に、
食い気味に答えるわたくし…。
嘘つくの、下手くそすぎる…。
歩美「そ、そう…?」
歩美だって、明らかにおかしいって思ってる。
話変えなきゃ!
莉子「あっ!
そーいえば〜
早希くん〜?」
早希「なに」
…相変わらず、
必要最低限のことしか喋らない…。
慣れたけどさ!
莉子「可愛い可愛いみかちゃんと、
どんな感じなの〜?」
早希「………げ」
みかちゃんっていうのは、
早希の彼女。
前に、女の子と歩いてた早希を
発見して、
その次の日に問い詰めたら、
早希が白状したの!
すっごい可愛いし、
ふわふわしてるし!
あたしとは真逆…。
早希「別にいいだろ…」
莉子「よくないよ!
あたしと早希が友達なんだから、
みかちゃんとあたしも、
もう友達だもん!」
早希「はあ?
やっぱバカ……あ…」
あたしをバカにしながら、
早希はなにか思い出したみたい。
莉子「え?なに?」
早希「いや…大したことない………
ただ、
桜井が莉子に会ってみたい
って言ってた」
莉子「ほんと?!」
あたしに会いたい
って言ってくれてるんだ!
うれしい!
大したことあるじゃんか!!
ていうか、
みかって呼べばいいのに……。
なんで苗字なんだろ?
莉子「桜井じゃなくて、
みかって呼んであげなよ?
きっとすっごい喜ぶよ?」
早希「…桜井は桜井だろ」
莉子「もう!
女心がわかってないんだから〜!」
早希「……莉子だって
わかってねーし……」
莉子「はあ?!
今なんて言いました?!
あたしはわかるし!女だし!」
早希「ぷっ………知ってるし、
ばーか」
早希は、クスクス笑ってる…。
あたしを思いっきり
ばかにしてますね〜。
早希「俺が言ってんのは、
男の気持ちってこと」
莉子「ううっ…、
そ…それは…
わかんないけどさ…」
早希「うん、知ってる」
莉子「……」
悔しい!!
早希に負けた気がする…。
早希「………桜井に会おうとか、
絶対すんな…よ?」
莉子「わかってる〜」
早希「……(会う気だな…バカ莉子…)」
そう言われると、
会いたくなっちゃうじゃーん!
たしか、東高だったよね?
……楽しくなってきた…♪
莉子「ただいまー!」
あれから、
未緒とは普通にしてる。
というか…あたしが
そーいう雰囲気にならないようにしてる。
でも、あの事件から未緒は、
積極的になった。
正直に自分の気持ちいうから、
恥ずかしいんだよね…。
未緒「あ、おかえり。バカ莉子」
………。
未緒は、笑顔なのに
声は低い…。
莉子「…なによ………あたし、
馬鹿じゃないし!」
未緒「ふーん??
テストで3点とったのは、
どこのバカですかねー?」
キレ気味な未緒は、
あたしのテストを持って
ヒラヒラさせてる。
隠してたのに…!
なんで見つかったの?!?!
莉子「しょーがないじゃん!
未緒みたいに、勉強できる人
ばっかりじゃないの!」
未緒「…ふーん……」
不思議そうにあたしのテストを
見始める未緒。
未緒「なんでこんなのもわかんねーの?」
ほんとに不思議そうに聞くから、
怒れないんだよ…。
莉子「もー!この話終わり!
はい!」
あたしは、靴を脱いで、
足早に自分の部屋に向かった。
美緒「俺が教えてやるって、
言ってんじゃん」
莉子「結構です!」
ドアの外から、喋りかけてくる美緒。
頭がいい人は、いいですねー!
人に教える余裕があるなんてー!
もう、嫌味にしかきこえないよ…。