七星家のイケメン三兄弟


いつもの朝。

急いで支度を済ませて、玄関を出る。


どーも!
あたし、七星莉子。

あたしには、兄弟がいるんだけど…。


「おせーよ、莉子」

「おそすぎ」

「りーちゃん!行こう!」

玄関の前で、あたしを呼ぶこの三人が、あたしの弟たち。


この茶髪のが、未緒。

もちろん、地毛ね。

女のこみたいな名前だけど、ちゃんとした男子。

チャラチャラしてて、女好きで…。
女の敵です!




次男の翼。

クールで、ポーカーフェイスを崩さないの!

あたしとは、真逆のタイプってよく言われる…。

まあ、こんな毒舌男と似てるなんて言われたくないしね!!!




そして、三男の翔太。

いわゆる、さわやか系男子とかいうやつ。

サッカー部に入ってて、すっごく上手いの!

あたしからしたら、小学生の弟って感じだけどね。




あたしたち4兄弟は、全員同じ高校。

あたしと未緒と翼は、高2。

翔太は高1で、入学したばっかり!



まあ、みんなあたしたちが兄弟っていうのは知らない。

なぜなら…。

この三人が全員イケメンだからなんです!



あたしたちが兄弟だって知ったら、

あたしのとこにファン達が押し寄せて、

大変なことになるでしょ?

中学で、そうだったから、高校ではお互い秘密にしようってなった。


それにしても……

なんでこんなやつらが人気なんだろ…?

ぜーんぜんわたしにはわかりません!




未緒「ほら、行くぞ。莉子」

翼「ほんとに、とろい」




高2組がうるさいから、

そろそろ行ってきます!

未緒「なーあ、莉子。眠いんだけど〜」

莉子「知らないし!自分でなんとかしなさ
   い!」

未緒 「……姉ちゃんかよ」

莉子 「姉ちゃんよ!!」



朝から、バカな未緒さん……。

毎日けんかばっかりしてるんだよね…。




「莉子、おはよ」


後ろから声がして、

振り向くと親友の歩美がいた。


歩美「あら、今日はあんまり元気がないわ   ね?」

莉子「そうなの!
   
   朝から、このバカの世話しないとい   けないから、
   
   もう疲れちゃった〜」



未緒「なんだと!誰がバカだよ!」



歩美は、あたしたちの幼馴染。

そして、社長令嬢。

つまり、お嬢様!


そんなお金持ちの歩美と、

あたしたちは、

なぜか小さい頃から仲良し!


ママとパパ同士も仲良くて…。


なんでかは、わかりません!

まあ、別に理由なんてどーでもいいし!



だから、歩美は、あたしたちが兄弟だってこと知ってる。


未緒たちをみても、カッコイイとか言わないところがすっごい好き!




歩美「ほら、そろそろ行きましょ」

莉子「うん!」

あたしと歩美は、バカ三人をおいて、

どんどん歩いた。


一緒に登校するわけにもいかないし。

ばれたら、大変だもん。




あたしと歩美は一緒のクラス!

「おはよう!七星さん」

教室に入ると、

近くにいた男子に声をかけられる。


「あ、おはよ…」


…でも……あたしは、

あんまり男子と話すのは得意じゃない…。

なんか怖いんだもん…。

未緒たちだったら、

ぜんぜん大丈夫なのにな〜。



歩美「朝から、大変ね。モテ女は」

莉子「ちょっと!

   そんなんじゃないもん!」

歩美「褒めてるのよ?」

莉子「うれしくなーい!」


歩美だって、

モテモテのくせに

何を言ってるんでしょうね?



お嬢様だから、

みんな話しかけづらいだけで、

男子なんてめっちゃ見てるよ?!




まあ、歩美は大好きな彼氏がいるんだどね。

お金持ちとかじゃなくて、

ふつーの人!


初めてあった時は、

びっくりしたよ。



だって、危なっかしいし、

ドジだし……。




でもね、ダメなところが、

歩美は好きなんだって!

なんかいいよね!